2011-09-15

最後の学系会議

今日は、月例の専攻全体の教員会議。うちの仕事場(数学専攻)は、現在の大学院の「専攻」と、それ以前に教員が所属した「学系」という組織がほぼ重なっているため、会議の名前が「数学専攻・学系会議」となっているが、この「学系」という組織が、教員組織の改変で、今月いっぱいで消えることになったため、「学系」の会議としては今日が最後の会議になった。

大学のホームページにもほとんど情報が見つけられないが、本学では、ここ数年かけて、教員組織を変える準備が進められてきた。歴史をさかのぼると、自分が大学に入った頃は、学部生が「学群」、大学院生が「研究科」、そして教員が「学系」に所属し、教員の組織が学部や大学院や学部から独立しているのが、本学の特色の一つだった。それが、10年程前、大学院の重点化を図るということで、大学院が大研究科に改組、部局化され、教員の所属も「学系」から大学院「研究科」に変わった。

ところが、これまでの組織運営のしがらみからか、制度上は「学系」も残され、学内の場所場所によって、これまでの学系が中心になったり、新しい大学院の専攻が中心になったりと、大学の組織運営の階層がまことに複雑に入り組むことになった。このことは、昨年、大学の機関別認証評価の面談の際、ともに出席した、他のいろいろな先生方の話からもよくわかった。

そのような中で、大学の執行部の説明を聞いた限りでは、この複雑な組織構造が、学際的な研究プロジェクトを行うような分野横断的なチームを作りにくくし、大型プロジェクトが生まれにくい原因の一つとされ、このような状況を打開するためとして、教員の所属組織を新たに作り、その枠を大きめにして、臨機応変に対応しやすくしようとするもののようだ。

具体的には、現在の大学院の各研究科に対応する教員の所属組織として「系」というのを作る。自分の場合、これまでの「数理物質科学研究科」から「数理物質系」となる。(ついでに、執行部は「学系」の名前が復活するのを嫌ったそうで、一方で医学などは「学」の字を入れたがったため、結局「医学医療系」という、「学」が入っているけど「学系」にはなっていない、絶妙な名前になったらしく、感心。)

大学が規則で設ける教員の組織はここまで。そこから先は、各研究科(各系)に任されるが、数理物質科学研究科の場合は、これまでの専攻に対応する組織(部分集合)として「域」というのを作ることになった。「数学専攻」に対しては「数学域」となる。ただ、これまでの学系や専攻とは異なり、大学の規則で定められた組織ではなく、単なる人の集まりで、これまで、予算や人事も独立して運営されてきたものが、そうではなくなるということだ。

この新しい組織は、来月から始まることになったため、「学系」は今月いっぱいで幕を閉じる、したがって「学系会議」も今日でおしまい、というわけです。これから先、これまでの授業や入試などの運営もどうなるか、未知の部分も多いが、何かあったらまたレポートしたいと思います。

さて、最後の学系会議が終わった後、学系棟のD棟に来てみたら、2台のエレベーターのうち、震災以降ずっと止まっていた右側の1台が、半年ぶりに復活していた。地震か停電の際に最寄り階に自動停止する機能がないとかで、危険防止のため、ずっと止まっていたらしいが、アップグレードしたのかな。震災復旧としては印象的な1ステップ。明日も頑張りましょう。ではまた明日。

2 件のコメント:

智幸 さんのコメント...

そのうち、組織構造が変わるというのは知っていたんですが、まさかこんなに早くとは思っていませんでした。それでですが、この『学系』表現が今月までというのは、数学系だけのことでしょうか?
私の場合は研究科で言うと『人間総合科学研究科』にお世話になることがあったりするので、とても気になるところです。


また、この名称変更で建物の名称や先生方の所属先、私たちの所属が変わるということはあるのでしょうか?
(読む限りだと、先生方だけという考え方に受けとれたのですが、それでよろしいでしょうか?)
⇒組織構造から、金銭がらみが今までのようにならないとなると、TA絡みとかも不安になってきます。

Akira Terui (照井 章) さんのコメント...

「学系」という名前は、制度上は、全学で今月いっぱいで消えます。

本文にも書いたように、教員の所属は来月から「系」になるわけですが、学群や、大学院のうち学生の所属はそのままです。智幸さんがおっしゃる通り、今回の変更は教員のみです。

ご指摘のように、お金の管理制度などは変わると思いますが、私達の研究科では、実質上の運営はなるべく現状を維持する方向で検討されているようです。
ただ、 現時点ですべての制度について事前に新体制を準備できるようには到底見えないので、何かが起こった都度、新制度での運用を考えることになると思いますが、学生さんにとって不利益なことはなるべく防いだ方がよいので、もし困ったことが起きたら、なるべく早く近くの教員に相談していただきたいと思います。