2020-12-31

オンラインの距離を超えて

今年がもうすぐ終わるということでちょっと振り返り。

1月にオペラの2つの公演にオケで乗ったのが夢のよう。3月のいつもの合宿は直前で中止。4月に入ってオンライン授業とオンライン業務の準備。5月から6月があっという間に過ぎ、オンライン授業の合間の初夏の仕事場から外に目をやると、人気のないキャンパスはどこか別世界のように感じられた。

夏から秋にかけて、オンラインの国際会議に参加。旧知の皆さんと再会し、この状況下でも科学の歩みを止めない動きに励まされた。春に中止された合宿もオンラインで復活。そして再びオンライン授業に戻りつつ、大学院では対面授業を始め、オンラインでセミナーを続けつつ、原稿用紙...ならぬパソコンのエディタに向かっている。

今年は特にオンライン授業になって、画面の向こうにいる学生さん方に、何をどう伝えるべきか、何を身につけてもらうことを目指すか、大学で教えることの本質を自らに問う日々だった。そして、学生さん方とコミュニケーションを取り続けられるよう、いろいろと工夫を続けた。

数学の授業は基本的に動画や資料を自分で見ながら学ぶ「オンデマンド」型だが、毎回授業時間にオンラインで対面し、レポート課題の解説をやったり、質問に答えたり。加えて、参加者の近況を聞いて回った。オープニングに各自の地元の天気を聞き(国内各地の実家から参加している人もいたので)、授業の状況や部活やアルバイトや地元の状況などを聞いた。学生さん方からの質問には、自分より歳の近いティーチング・アシスタントの人達に答えてもらったりもした。そんなことをしているうちに、学生さん方の好きなアーティストの話になり、リクエスト曲をかけたりと、ラジオ番組のようになった。外出制限下の学生さん方の状況を知るだけでなく、これまで知らなかったアーティストの音楽にも触れ、貴重な経験になった。

オンラインの会議は自主参加にしていたので、参加者は授業の受講者の一部だったが、彼ら、彼女らからは、数学の授業で数少ないリアルタイムのコミュニケーションでためになった、励まされたとの感想をもらったし、自分も、そんな彼ら、彼女らに励まされた授業だった。それから、授業のパートナーとして参加してくれたティーチングアシスタントの大学院生にも感謝したい。たぶん自分1人では話がもたなかったと思う。1人でしゃべれる人ならともかく、相方がいると話の際は楽ですね。

来年はどんな年になるか... まだいろいろと今年の状況が続くかもしれませんし、オンラインでこれからよい方向に向かう部分もあるかもしれませんが、ひとまず、これを読んでくださる皆さんの健康を願い、また対面でのいろいろな活動ができる日々が戻ってくることを願っています。ではまた来年。

2020-03-12

新たな局面の中で

9年後の今、頭をひねって論文の原稿を書いているところですが、ちょうど今頃、階下の居間に家族で布団を並べ、実家の安否が確認できないもどかしさを感じながら半寝半起きの状況だったところです。

そして、今、新しいウイルスを前に、先行きが見えない中、対応しているわけですけど、感染を広げないよう注意をしつつ、自分にできることを続けたり、日常の中に楽しみを見つけたりしながら、夜明けを待ち続ける、というところかと思います。ではまた明日。