2010-09-18

夜のエレヴァン(9月6日)

エレヴァン到着初日。なんせ昨日からほぼ徹夜状態ですので、とりあえず午前中ちょっと寝て、午後もホテルの部屋で休憩したり、到着までの記録を書いたりしていました。

今日は夜に歓迎のパーティーがあるとのことでしたが、午後にレセプション(フロント)から電話が入り、7時にタクシーが迎えにくるからロビーに集まれとのこと。6時過ぎにホテルを出て周辺をうろつきます。

町中の通りの建物は、全体的に、ピンクがかった茶色の石造りといった感じです。

その後、ホテルに戻ってロビーで待っていると、顔見知りの参加者の方々に次々と再会。挨拶して旧交をあたためます。

さて、10人程集まってタクシーに分乗し、いざ出発!と思ったら、タクシーが出ません。どうも、自分たちの前に止まっているタクシーが駐車違反で警察に捕まって、つっかえているみたい。10分かそこら待って、ようやく出発です。

タクシーは丘を登っていきますが、なかなか着きません。...と、運転手さんが車を停めて、道端のおじさんにレストランの場所を尋ねているではありませんか。以前「アルメニアのタクシーは時々道端の人に道を尋ねる」という情報を目にしていましたが、どうやらこれは本当のようです。前の席の参加者の人曰く「レストランが新しくて地図に載っていないらしい」。本当かどうかはともかく、タクシーはUターンして丘をちょっと下り、ようやく目的地のレストランに着きました。他のタクシーと皆さんはすでに着いていました。

歓迎パーティーの食事は、伝統的なアルメニア料理ということでしたが、最初はパンと前菜(生野菜やおそうざい、チーズなど)からスタートします。野菜や果物は驚く程日本のスタイルによく似ていました。特にトマトはそっくりです。キュウリは日本のより固くて乾いています。ウリ系の野菜が多く、ナスのいためものもあります。チーズは西欧並みにたくさん種類があり、どれもおいしいです。

前菜が一段落すると、肉料理が出ます。こちらも味付けは日本で食べる肉料理とそれ程大差ありませんが、ボリュームはあります。大体の料理が、大皿から各自好きなだけ取り分けるシステムになっています。場合によっては、メインの料理が2枚出たりして、量は非常に多いのがちょっとびっくりです。もちろん、好きなだけ取り分ければよいので問題はありませんが。

そして、デザートの定番は、スイカとメロンです。こちらも日本のものと非常によく似ています。甘みもたっぷりでおいしかったです。うちのムスメはスイカもメロンも大好きなので、もしこんな大皿を出したら、ごちそうさまをさせるのに非常に苦労することでしょう。あとは、紅茶かコーヒーが(希望に応じて)出て、おしまいのようです。

それから、食事の際のお酒はワインが標準的のようですが、こちらの赤ワインは非常に甘くてまろやかな味で、逆に白ワインは辛くてしまった味のものが多かったです。アルメニアはワインも独特のよいものが多いそうです。

さて、楽しかった宴も終わり、今度はホテルまで歩いて帰ることになりました。せっかくですので、エレヴァンの中心地を通って帰ることにします。

で、やってきたのが、エレヴァンの中心である共和国広場。広場を円形に囲むようにビルが建っています。これらのビル群、アルメニアがソ連の一部になった1920年代から建てられたのだそうで、最初に、アルメニアを代表する建築家アレクサンドル・タマニアンの設計によって、政府庁舎(写真左側、塔の上部に大きな時計のある建物)が建てられ、その後、彼の弟子達によって、同じようなスタイルで、広場を囲むようにビルが次々に建てられたのだそうです。

共和国広場では、音楽の流れる噴水もあり、夜10時過ぎでしたが、大勢の人達でにぎわっていました。子供達もたくさん夜ふかしです。

共和国広場を抜けて、数百メートルの歩行者道路を歩きます。ここも、大勢の人達でにぎわっています。通りに面したビルの数々、写真では、上層階の窓は明かりが消えているように見えます。

しかし、実は、明かりが消えているのではなくて・・・窓がないんです。内装もありません。つまり、これらのビルのほとんどが、建設が途中で止まったままなんです。通りに面したほとんどのビルがそうでした。同行したロシアの人曰く、一昨年からの金融危機の影響で、ビルの工事がストップしたままなんだとか。この後も、アルメニアでは、行く先々で、工事の止まったビルや家々を目にしましたが、首都の大通りで、いかにも豪勢な新しい石造りのビル群が工事が止まったままというのは、異様な光景でした。

さて、その通りを抜けると、オペラハウスの近くの公園にたどり着きました。公園にもオープンカフェがたくさんあり、この時間でもたくさんの人達が繰り出しています。

公園にあったのが、アルメニアの作曲家、アルノ・ババジャニアンの像です。私は初めて名前を聞きましたが、旧ソ連圏では誰でも知っているような大作曲家のようです。像全体は、写真の右側に、グランドピアノを象徴するようなレリーフが広がっており、本人の部分は、ピアノの鍵盤に向かっているかのようなポーズで、なかなかおもしろい作品でした。

そして、オペラハウスの周りには、アルメニアの作曲家3人の銅像があるとのことで、その中でも特に有名なアラム・ハチャトゥリアンを探しました。ハチャトゥリアンの名前は知らなくても、「剣の舞」と聞けばわかる方もいると思いますし、バンクーバーオリンピック冬季大会で、フィギュアスケートの浅田真央選手が演技に使った「仮面舞踏会」と聞けばわかる方もいるかと思います。

オペラハウスをぐるっと一回りしたら、ようやく、ハチャトゥリアンの像を見つけました。さすが、正面玄関前にありました。

近寄ってみるとこんな感じです。台座の文字は、彼の名前のアルメニア語の表記です。アルメニアのアルファベットはまだちょっと読めそうにありません・・・

さて、こんな感じで、最初の夜のエレヴァン観光は終了です。明日は会議とエレヴァン市内の観光を経て、会議のメイン開催地となる小さな村へ移動します。

追記 (10月3日): 今日、パーティーの後で歩いた部分の行程です。
より大きな地図で CASC 2010: September 6 を表示

2010-09-06

アルメニアへ到着

今回、仕事(国際会議)で、アルメニア共和国の首都エレヴァンに来ました。

アルメニアといいますと、吹奏楽ファンの方でしたら「アルメニアンダンス」という曲を思い浮かべると思いますが、そのアルメニアです。日本語の情報はまだかなり少ないと思いますが、それでもwebを検索すると、いろいろ書いている方もいらっしゃいまして、私も参考にさせていただきました。

会議は実質あすからということと、今日はまる一日の旅の後ということで、今日はホテルで一休みして、私が経験したアルメニア行きの情報をちょっと書きたいと思います。

まず、日本からアルメニアへの行き方について。いろんな情報を見ると、ロシア経由で行くのが多そうです。私は、Star Allianceの便を選んだら、オーストリア航空でウィーン経由となりました。

所要時間は、東京からウィーンまで約12時間、乗り継ぎに約5時間、ウィーンからエレヴァンまで約3時間といったところです。東京を朝出て、ウィーンに夕方に着き、エレヴァンまでは夜行で、朝5時前に着きます。

ウィーンでの買い物について。いきなりですが、私は(かみさんともどもですが)、以前オーストリアに行った時に Bailoni という、あんずリキュールにはまってしまい、日本ではなかなか手に入らなかったので、ウィーン国際空港の免税店でgetすべく策を練っていました。

ところが、日本からの飛行機も到着する、シェンゲン協定非加盟国用のターミナルは、免税店も小さく、品揃えもシェンゲン加盟国のターミナルの売店程はありません。そこで、1度ウィーンに入国してシェンゲン加盟国のターミナルに行き、そこでお目当ての物を買って、出国すればよさそうです。(「そうです」と書いた理由は後述)

国際線の液体の持ち込み制限に引っかからないかが心配だったのですが、売店の人に尋ねたところ、売店で買った品物に封印をしてもらい、非シェンゲン加盟国用ターミナルから、乗り継ぎなしで最終目的地に行く限りは、大丈夫のようです。先程「そうです」と書いたのは、まだ実際にやって確認したわけではないので、帰りにやってみます。

ウィーン国際空港のオーストリア航空ビジネスラウンジについて。エコノミークラスでも、当日の搭乗券を持ち、35ユーロ払うと、ビジネスラウンジが利用できます。支払方法はクレジットカードのみだそうです。オーストリア航空のホームページに情報がありました。

ウィーン国際空港は、ターミナル内全域で無線LANが無料で利用可能です。ビジネスラウンジでは、飲み物、スナック類、ケーキなどのお菓子、軽食を自由にとることができます。テーブルを使えるので、パソコンを使うには便利ですね。私がウィーンに着いた夕方はまだすいていましたが、夜になって大分混んでいました。

追記 (9月18日): 現在、ウィーン国際空港では、新しいターミナルの建設が進んでいます。ビジネスラウンジから見た、工事中のターミナルです。

エレヴァンへの乗り継ぎ。ウィーン国際空港のセキュリティチェックは、搭乗直前、各搭乗ゲートの手前にあります。

セキュリティチェックを通って、搭乗ゲート前の待合室に行きます。今回の便はほぼ満席で、同じスポーツウェアのユニフォームを着た、何かのチームらしき若い男性の一団もいました。

エレヴァンへの機内では、搭乗後すぐに食事が出ました。夕食というよりは夜食ですね。機内食を見越して夕飯はとらず、軽食ですませており、おなかがすいていましたが、おいしかったです。ただ、何せ眠かったので、あまり覚えていません。その後、1時間程爆睡すると、飛行機は間もなく着陸態勢に入りました。

エレヴァン・ツヴァルトノツ国際空港は、ターミナルが数年前に新しくなったとの情報を見かけましたが、たしかに今時の空港でした。

ターミナルからエスカレータを降りると、まず両替。(追記:9月18日)両替は、後述のビザをとるのにも必要です。

次に、たいていの外国人はビザが必要ですが、

入国審査の手前にビザの発給カウンターがあり、事前にビザを取っていなくても、そこで取れます。(追記/9月18日: 入国審査前のビザは有料だと思いますので、実際に取得される方は手数料をご確認下さい。)あと、e-Visaというのもあり、webですべて手続き可能なビザもあります(追記/9月18日: こちらは手数料の支払いにクレジットカードが必要です。)。今回私は、事前にe-Visaを取ってきました。

それから入国審査になります。

入国審査を無事通過すると、なぜか免税店を抜けて、

手荷物を受け取ります。あと、いくつかの携帯電話会社のカウンターがあり、外国人は、そこへ行ってパスポートを見せるとプリペイドSIMカードをもらえます。私は VivaCell-MTS のカウンターでもらいました。詳細は会社のwebページで確認できますが、私が手にしたのは "Alo We" という料金プランで、AMD 400(400アルメニアドラム)分の通話料がチャージされています。

手荷物を受け取ると、バゲッジクレームタグを回収されます。私のタグを回収した男性は気さくなおじさんで「お、日本人か。ヤクザか!?」と笑って刀をヒュッヒュッと振り回すまねをして、こっちも「いやいや〜」と笑って答えてました。その先は税関の申告ですが、大体の人は素通りのようでした。

最後、出口の手前で「タクシーは要るか?」と訊かれて、見ると、タクシー会社のカウンターがありました。ズヴァルトノツ国際空港のホームページによると、空港で営業を認可されているタクシーは唯一 "Taxi Tour" という会社のみだそうで、ここのカウンターがその Taxi Tour のカウンターでした。私は今回、別の迎えを確保していましたので断りましたが、過去にアルメニアに行かれた方の情報には「白タクは非常にしつこいので注意」という内容の記述がありましたので、タクシーが必要な人は出口の前で Taxi Tour に頼むというのが安心かもしれません。