2005-06-18

ちひろ美術館を訪ねて

東京のちひろ美術館を訪ねた。かねてからかみさんのリクエストがあったのだが、夏を過ぎるとしばらく行くチャンスがなくなりそうだったので、今回行くことにした。

電車に揺られ、閑静な住宅地を歩いてたどり着く。以前来たときと変わった、とかみさんが言っていたが、建物の外観は、新しそうなんだけど奇をてらった感じはない。赤茶色の外装が昔の家屋のトタン屋根を思い起こさせる。

館内をゆっくり見て回った。ちひろさんの仕事は、仕事をされた当時は現在程目立たなかったのかもしれないが、確たる信念をもって描いたからこそ、現在こうして自分も含め多くの人達の心を引きつけ、美術館に足を運ぶのだろうと思った。

翻って、今の大学は、競争の時代に入っている。世間にすぐに役に立ったりアピールしたりできるような研究を大勢で追いかけるような風潮も見受けられる。それが元手となる資金を得るための有効な手段の一つとも言えるのでやむを得ないとは思うけど。

そのような中で、数学はと言うと、世間からは難しそうなものに映るのかもしれないし、すぐに世の中の役に立つというわけでもない場合が多いので、周りにばかり目がいって足がすくみそうにもなる。しかし、ちひろさんの仕事のように、自分を見失うことなく、本当に価値がある物を作り続けることも大切だな〜と、今回の訪問で思った。もちろん、世の中へのアピールも大切。数学の価値や楽しさをより多くの人達に知ってもらうことが、数学を後世に伝えるために必要不可欠なので。

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